下肢の異常と金属支柱付き短下肢装具の足継手の設定との組合せで正しいのはどれか。
- 尖足 ― 前方制動
- 反張膝 ― 遊動
- 立脚時の膝折れ ― 前方制動
- 下腿三頭筋の痙縮 ― 遊動
- 前脛骨筋の弛緩性麻痺 ― 遊動
解答解説
正解は3(立脚時の膝折れ 前方制動)です。
立脚時の膝折れ(膝が過度に屈曲する動作)は、足関節が過剰に背屈する場合に起こります。金属支柱付き短下肢装具で足継手の前方制動を設定することで、足関節の背屈を制限し、立脚期の膝折れを防ぐことができます。
各選択肢の解説
- 尖足 前方制動
尖足(足関節が底屈位になる状態)は、足関節の背屈制限が原因です。この場合は、前方制動ではなく、後方制動を調整して足関節を背屈できるようにする必要があります。この選択肢は誤りです。 - 反張膝 遊動
反張膝(膝が過伸展する状態)は、足関節が固定されていない場合や、底屈位が過剰な場合に発生します。遊動ではなく、後方制動を設定して、足関節の底屈を制限し、反張膝を防ぐ必要があります。この選択肢は誤りです。 - 立脚時の膝折れ 前方制動
立脚時に膝が屈曲しすぎる「膝折れ」は、足関節が過剰に背屈することが原因です。足継手の前方制動を設定することで、背屈を制限し膝折れを防ぐことができます。この選択肢は正しいです。 - 下腿三頭筋の痙縮 遊動
下腿三頭筋の痙縮では、足関節が底屈位に引っ張られるため、足関節を背屈させる必要があります。遊動ではなく、足継手を後方制動に設定して底屈を制限するべきです。この選択肢は誤りです。 - 前脛骨筋の弛緩性麻痺 遊動
前脛骨筋の弛緩性麻痺では、足関節が底屈して尖足となるため、足関節を背屈できるよう調整する必要があります。遊動ではなく、後方制動で底屈を制限するべきです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
金属支柱付き短下肢装具の足継手設定は、下肢の異常や筋力低下に合わせて調整する必要があります。
- 前方制動: 背屈を制限し、膝折れを防止。
- 後方制動: 底屈を制限し、反張膝や尖足を防止。
適切な設定を行うことで歩行を安定させ、効率的なリハビリテーションが可能となります。