骨格筋の筋収縮において筋小胞体から放出されたCa²⁺が結合するのはどれか。
- アクチン
- ミオシン
- トロポニン
- ミオグロビン
- トロポミオシン
解答解説
正解は 3. トロポニン です。
筋収縮の過程で、筋小胞体から放出されたCa²⁺はトロポニンC(トロポニン複合体の一部)に結合します。これによりトロポミオシンの位置が変化し、アクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出して、ミオシン頭部との相互作用が可能になります。結果として筋収縮が引き起こされます。
各選択肢の解説
- アクチン
誤りです。アクチンは細いフィラメントであり、ミオシンと相互作用して筋収縮を引き起こしますが、Ca²⁺の結合部位ではありません。 - ミオシン
誤りです。ミオシンは太いフィラメントで、ATPを利用してアクチンとの間で滑り運動を行います。 ただし、Ca²⁺の結合部位ではありません。 - トロポニン
正解です。トロポニンは筋小胞体から放出されたCa²⁺が結合する部位です。 特にトロポニンCがCa²⁺と結合し、筋収縮の開始を促します。 - ミオグロビン
誤りです。ミオグロビンは酸素の貯蔵タンパク質であり、筋収縮には直接関与しません。 - トロポミオシン
誤りです。トロポミオシンはアクチンフィラメントに沿って存在し、トロポニンがCa²⁺と結合した際にその位置を変化させることで、アクチンのミオシン結合部位を露出させます。 Ca²⁺が直接結合するわけではありません。
ワンポイントアドバイス
骨格筋の収縮機構では、Ca²⁺の役割が非常に重要です。Ca²⁺はトロポニンCに結合することでトロポミオシンの配置を変化させ、アクチンとミオシンの相互作用を可能にします。この一連のプロセスを正確に理解することで、筋収縮のメカニズムを効率よく覚えられます。