「歯を磨くまねをしてください」という口頭命令ではうまくできないが、自発的には歯磨きができる状態はどれか。
- 観念失行
- 拮抗失行
- 構成失行
- 観念運動失行
- 肢節運動失行
解答解説
正解は 4. 観念運動失行 です。
観念運動失行は、口頭命令や模倣によって動作を行うことが困難になる障害ですが、自発的な動作は可能です。動作の目的は理解しているものの、外部からの指示に従って正確に動作を再現することができません。この状態が、問題文に記載されている状況に該当します。
各選択肢の解説
- 観念失行
観念失行は、一連の動作を計画・実行する能力が損なわれた状態です。 例えば、歯磨きの一連の動作そのものを理解できないため、歯磨きを自発的に行うことも難しい場合があります。この選択肢は誤りです。 - 拮抗失行
拮抗失行は、動作の実行中に不適切な筋群が活動してしまう状態を指します。 問題文に記載された症状とは関連が薄いため、この選択肢は誤りです。 - 構成失行
構成失行は、図形や物体を構成する能力が低下する障害です。 例えば、ブロックで特定の形を作ることができなくなるなどの症状が見られますが、動作の模倣困難とは異なるため、この選択肢は誤りです。 - 観念運動失行
正解です。観念運動失行では、模倣や口頭命令による動作が困難ですが、自発的な行動は可能です。 これは、動作のプログラムは理解しているものの、外部指示に基づく動作の実行に困難が生じるためです。 - 肢節運動失行
肢節運動失行は、四肢の細かい運動が困難になる障害です。 細かい動作自体ができなくなるため、動作模倣困難と自発的動作可能という観念運動失行の特徴とは異なります。
ワンポイントアドバイス
観念運動失行は、模倣や命令に基づく動作ができない一方で、日常的な自発的動作は行えるという特徴があります。これに対して、観念失行は動作そのものの理解が失われるため、異なる状態であることを理解しておくと、試験対策に役立ちます。