第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題22

チーム医療において理学療法士が行わないのはどれか。

  1. チームのリーダーを務める。
  2. 要介護認定申請の意見書を作成する。
  3. 栄養指導について管理栄養士に相談する。
  4. 人工呼吸器の設定について医師に相談する。
  5. 福祉用具の貸与についてソーシャルワーカーに相談する。

解答解説

正解は2(要介護認定申請の意見書を作成する)です。
要介護認定申請に関する意見書の作成は、医師の業務に含まれるものであり、理学療法士が行うことはありません。理学療法士は、リハビリテーションの観点から患者の状態や問題点についてチームに情報提供を行う役割を担いますが、法的に求められる書類の作成は含まれません。

各選択肢の解説

  1. チームのリーダーを務める。
    チーム医療において理学療法士がリーダーを務めることは可能です。特にリハビリテーションチームなどでは、患者の機能回復に対して中心的な役割を担うことがあります。
  2. 要介護認定申請の意見書を作成する。
    要介護認定申請に必要な意見書の作成は、医師のみが行う業務です。理学療法士は患者の身体機能に関する情報を提供することはできますが、意見書を直接作成する権限はありません。
  3. 栄養指導について管理栄養士に相談する。
    理学療法士は栄養状態が患者の身体機能に及ぼす影響について管理栄養士に相談し、適切な指導を受けることが求められます。特に嚥下障害や低栄養のリスクがある場合など、他職種との連携が重要です。
  4. 人工呼吸器の設定について医師に相談する。
    人工呼吸器の設定は医師の業務ですが、理学療法士は呼吸リハビリテーションの観点から、適切な設定について医師に意見を述べたり相談することが可能です。これもチーム医療の一環です。
  5. 福祉用具の貸与についてソーシャルワーカーに相談する。
    理学療法士は、患者の身体機能や生活環境に基づいて適切な福祉用具の選定を提案する役割を担います。その上で、福祉用具の貸与や手続きについてはソーシャルワーカーと連携することが一般的です。

ワンポイントアドバイス

理学療法士はチーム医療において、身体機能の専門家として他職種と連携しながら患者の回復を支援します。ただし、法律で定められた業務(例:医師による診断書や意見書の作成)は行わないため、業務範囲を正確に理解しておくことが重要です。