第53回理学療法士国家試験　午後問題56

デルマトームと支配髄節の組み合わせで正しいのはどれか。

1. 母指 —— 第3頸髄節
2. 乳頭 —— 第4胸髄節
3. 臍 —— 第8胸髄節
4. 膝 —— 第1腰髄節
5. 肛門 —— 第1仙髄節

解答解説

正解は2です。

乳頭（胸部の中央部）はデルマトームのT4（第4胸髄節）の支配領域です。 この部位は胸髄レベルの重要なランドマークとして臨床で広く用いられます。

各選択肢の解説

1. 母指 —— 第3頸髄節
   母指はC6（第6頸髄節）に対応します。C6は上肢の外側（橈側）や母指に感覚を供給するデルマトームであり、この記述は誤りです。
2. 乳頭 —— 第4胸髄節
   乳頭はT4（第4胸髄節）のデルマトーム領域で、胸部の感覚を支配します。この記述は正しいです。
3. 臍 —— 第8胸髄節
   臍はT10（第10胸髄節）のデルマトーム領域に該当します。T8は臍よりも上部を支配しており、この記述は誤りです。
4. 膝 —— 第1腰髄節
   膝はL4（第4腰髄節）のデルマトーム領域に対応します。L1は腹部や鼠径部に感覚を供給するため、この記述は誤りです。
5. 肛門 —— 第1仙髄節
   肛門周囲はS4～S5（第4～第5仙髄節）のデルマトーム領域に対応します。S1は下肢の外側や足底に対応するため、この記述は誤りです。

ワンポイントアドバイス

デルマトームは感覚領域を髄節ごとに示したもので、T4（乳頭）やT10（臍）のような重要なランドマークを覚えることが試験対策に有効です。特にT4、T10、C6（母指）、L4（膝）、S4～S5（肛門周囲）はよく出題されるため、正確に押さえておきましょう。