第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題33

肘関節屈曲位から伸展方向へ他動的に動かしたときに、可動域の全範囲にわたり抵抗感が感じられたが、運動は容易であった。MAS(modified Ashworth scale)における筋緊張のレベルはどれか。

  1. 0
  2. 1
  3. 1+
  4. 2
  5. 3

解答解説

正解は4です。

Modified Ashworth Scale (MAS) は筋緊張の評価指標です。問題文では、「可動域の全範囲にわたり抵抗感が感じられたが、運動は容易であった」と述べられています。これはMASのレベル2に該当します。レベル2は、全範囲で筋緊張の抵抗があるが、関節運動は可能な状態です。

各選択肢の解説

  1. 0
    筋緊張が全くない状態です。問題文には抵抗感があると記載されているため、不適切です。
  2. 1
    軽度の筋緊張があり、筋を伸ばす際にわずかに抵抗を感じるが、可動域の終わり付近でのみ抵抗がある状態です。全範囲に抵抗がある場合には当てはまりません。
  3. 1+
    軽度の筋緊張で、可動域の前半でわずかに抵抗があるが、その後はスムーズに動かせる状態です。「全範囲にわたり抵抗感がある」という記述と一致しないため、不適切です。
  4. 2
    可動域の全範囲にわたり抵抗があるが、関節運動は容易な状態です。問題文の内容と一致するため、正解です。
  5. 3
    筋緊張が強く、可動域全体で明らかな抵抗があり、関節運動が困難な状態です。運動が容易であるとは言えないため、不適切です。

ワンポイントアドバイス

Modified Ashworth Scale (MAS) の評価基準をしっかり覚えておきましょう。

  • 0:筋緊張なし
  • 1:軽度の抵抗が可動域の終わり付近で感じられる
  • 1+:軽度の抵抗が可動域前半で感じられる
  • 2全範囲にわたって抵抗があるが、運動は容易
  • 3:全範囲で著しい抵抗があり、運動が困難
  • 4:関節が固定され、動かすのが非常に難しい

臨床現場では、正確な筋緊張の評価がリハビリ計画の基礎となるため、基準をしっかり理解しておきましょう。