摂食嚥下障害の病態と手技の組合せで正しいのはどれか。
- 鼻咽腔の閉鎖不全 – Shaker(シャキア)法
- 梨状窩の食物残留 – うなずき嚥下
- 喉頭蓋谷の食物残留 – 横向き嚥下
- 食道入口部の開大不全 – Mendelsohn 手技
- 舌骨上筋群の筋力低下 – 輪状咽頭筋バルーン拡張法
解答解説
正解は4.食道入口部の開大不全 – Mendelsohn 手技です。
Mendelsohn 手技は、嚥下時の喉頭挙上を維持し、食道入口部(輪状咽頭筋)の開大不全を改善するための手技です。この方法により、食物の通過をスムーズにすることができます。他の選択肢は病態と手技の組合せが誤っています。
各選択肢の解説
- 鼻咽腔の閉鎖不全 – Shaker(シャキア)法
この選択肢は誤りです。Shaker法は、食道入口部開大不全や嚥下筋群の筋力低下に対する手技であり、鼻咽腔の閉鎖不全には用いません。 - 梨状窩の食物残留 – うなずき嚥下
この選択肢は誤りです。梨状窩の食物残留には努力嚥下や頭部回旋嚥下が適しており、うなずき嚥下(頸部屈曲)は適応ではありません。 - 喉頭蓋谷の食物残留 – 横向き嚥下
この選択肢は誤りです。喉頭蓋谷の食物残留には努力嚥下が適しています。横向き嚥下は片側咽頭麻痺に対する方法です。 - 食道入口部の開大不全 – Mendelsohn手技
この選択肢が正解です。Mendelsohn手技は食道入口部の開大を促す手技で、開大不全に有効です。 - 舌骨上筋群の筋力低下 – 輪状咽頭筋バルーン拡張法
この選択肢は誤りです。輪状咽頭筋バルーン拡張法は、輪状咽頭筋自体の過緊張に対する方法であり、舌骨上筋群の筋力低下には適用されません。
ワンポイントアドバイス
摂食嚥下障害の治療では、病態に応じた手技を適切に選択することが重要です。特にMendelsohn 手技は食道入口部の開大不全に有効であることをしっかり覚えましょう。