頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄節まで機能残存)の上肢機能で可能なのはどれか。2つ選べ。
- 小指の外転
- 母指の内転
- 手関節の背屈
- 肘関節の屈曲
- 中指DIP関節の屈曲
解答解説
正解は3. 手関節の背屈と4. 肘関節の屈曲です。
第6頸髄節までの機能が残存している場合、手関節の背屈(橈側手根伸筋)と肘関節の屈曲(上腕二頭筋、腕橈骨筋)が可能です。
各選択肢の解説
- 小指の外転
この選択肢は誤りです。
小指の外転(外転筋)は第T1脊髄節に支配されており、第6頸髄節までの機能残存では不可能です。 - 母指の内転
この選択肢は誤りです。
母指の内転(内転筋)は第T1脊髄節に支配されており、不可能です。 - 手関節の背屈
この選択肢が正解です。
橈側手根伸筋(C6支配)により、手関節の背屈が可能です。 - 肘関節の屈曲
この選択肢が正解です。
上腕二頭筋と腕橈骨筋(C5-C6支配)が機能しているため、肘の屈曲が可能です。 - 中指DIP関節の屈曲
この選択肢は誤りです。
中指のDIP関節屈曲(深指屈筋)はC8脊髄節に支配されており、不可能です。
ワンポイントアドバイス
頸髄損傷では、残存する機能レベルに対応する筋とその作用を整理することが重要です。特にC6までの機能で可能な動作(手関節背屈、肘関節屈曲)は必ず覚えましょう。節背屈や肘関節屈曲が可能ですが、細かい指の動きは難しいことを押さえましょう。