第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題39

健常者に自転車エルゴメータを用いて中等度の運動負荷を20分間行った。運動開始前と比べて低下するのはどれか。

  1. 経皮的動脈血酸素飽和度
  2. 末梢血管抵抗
  3. 収縮期血圧
  4. 心拍数
  5. 体温

解答解説

正解は2.末梢血管抵抗です。

中等度の運動負荷を行うと、心拍出量が増加し、筋血流を増やすために末梢血管が拡張します。これにより、末梢血管抵抗は低下します。他の選択肢は通常、運動に伴って増加または上昇します。

各選択肢の解説

  1. 経皮的動脈血酸素飽和度
    この選択肢は誤りです。健常者では運動中も酸素飽和度は通常安定しており、低下しません。
  2. 末梢血管抵抗
    この選択肢が正解です。中等度運動中、血管拡張が進行するため末梢血管抵抗が低下します。
  3. 収縮期血圧
    この選択肢は誤りです。運動中は心拍出量の増加により収縮期血圧が上昇します。
  4. 心拍数
    この選択肢は誤りです。運動に伴い酸素需要が増加するため、心拍数は上昇します。
  5. 体温
    この選択肢は誤りです。運動に伴い代謝が亢進し、体温は上昇します。

ワンポイントアドバイス

運動時の生理学的反応では、末梢血管抵抗が低下し、収縮期血圧や心拍数は上昇します。一方、動脈血酸素飽和度は健常者では通常変化しないことを覚えておきましょう。