第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題38

筋力増強運動で正しいのはどれか。

  1. 等運動性運動は徒手的に行う。
  2. 等尺性運動は関節運動を伴う。
  3. 等張性運動では関節運動の速度を調整する。
  4. 閉鎖性連鎖運動は複数筋の筋力増強に適している。
  5. 開放性連鎖運動は四肢末端が地面に接した状態で行う。

解答解説

正解は4.閉鎖性連鎖運動は複数筋の筋力増強に適しているです。

閉鎖性連鎖運動(CKC:Closed Kinetic Chain)では、四肢の末端が固定されているため、複数の関節と筋が連動して動作します。スクワットやレッグプレスが例として挙げられ、特に下肢筋の総合的な筋力強化に有効です。

各選択肢の解説

  1. 等運動性運動は徒手的に行う
    この選択肢は誤りです。等運動性運動は専用の機器(アイソキネティックマシン)を用いて行うもので、徒手的ではありません。
  2. 等尺性運動は関節運動を伴う
    この選択肢は誤りです。等尺性運動は筋の長さを変えずに力を発揮する運動であり、関節運動を伴いません
  3. 等張性運動では関節運動の速度を調整する
    この選択肢は誤りです。等張性運動では一定の負荷の下で関節を動かす運動であり、速度は一定ではありません。速度を一定にするのは等運動性運動です。
  4. 閉鎖性連鎖運動は複数筋の筋力増強に適している
    この選択肢が正解です。閉鎖性連鎖運動では複数の関節と筋が連動し、筋力増強や安定性向上に有効です。正解です。
  5. 開放性連鎖運動は四肢末端が地面に接した状態で行う
    この選択肢は誤りです。開放性連鎖運動(OKC:Open Kinetic Chain)は四肢末端が固定されず、自由に動かせる状態で行います。地面に接した状態ではありません。

ワンポイントアドバイス

閉鎖性連鎖運動は関節や筋の協調性を高め、スポーツリハビリにも有効です。一方、開放性連鎖運動は特定の筋をターゲットにした筋力強化に適しており、両者の特徴を使い分けることが重要です。