第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題45

Guillain-Barré症候群の治療で正しいのはどれか。

  1. ステロイド投与が第一選択である。
  2. 筋力低下の進行期には関節可動域練習より筋力増強運動を優先する。
  3. 人工呼吸管理の場合、早期から胸郭ストレッチを行う。
  4. 筋力低下の進行が停止すれば、早期から漸増抵抗運動を開始する。
  5. 約半数が発症6か月後の歩行障害に長下肢装具を必要とする。

解答解説

正解は3.人工呼吸管理の場合、早期から胸郭ストレッチを行うです。

Guillain-Barré症候群は急性末梢神経障害で、筋力低下や呼吸不全が見られる場合があります。人工呼吸管理が必要な場合、胸郭ストレッチなどを行い、呼吸機能の維持・改善を目指すことが重要です。他の選択肢は適切ではありません。

各選択肢の解説

  1. ステロイド投与が第一選択である
    この選択肢は誤りです。Guillain-Barré症候群の治療には、免疫グロブリン療法や血漿交換療法が第一選択であり、ステロイドは基本的には使用されません。
  2. 筋力低下の進行期には関節可動域練習より筋力増強運動を優先する
    この選択肢は誤りです。筋力低下の進行期では、過負荷を避け、関節可動域練習を優先することが重要です。筋力増強運動は進行が停止してから開始します。
  3. 人工呼吸管理の場合、早期から胸郭ストレッチを行う
    この選択肢が正解です。胸郭ストレッチにより、胸郭の可動性を保ち、肺の換気を効率よく行えるようにすることが重要です。正解です。
  4. 筋力低下の進行が停止すれば、早期から漸増抵抗運動を開始する
    この選択肢は誤りです。漸増抵抗運動は、筋力が回復し始めてから慎重に開始する必要があります。早期から行うと筋損傷のリスクがあります。
  5. 約半数が発症6か月後の歩行障害に長下肢装具を必要とする
    この選択肢は誤りです。約半数の患者は6か月以内に歩行可能となるため、この記述は誤りです。

ワンポイントアドバイス

Guillain-Barré症候群では、免疫療法(IVIG、血漿交換)、リハビリの段階的実施が重要です。進行期、回復期のリハビリの違いや呼吸管理の要点を理解しましょう。