ケトアシドーシスによってKussmaul呼吸が起こる理由で正しいのはどれか。
- O₂を取り込むため。
- H⁺が減少したため。
- CO₂を排出するため。
- HCO₃⁻が増加したため。
- pHの上昇を基準値に戻すため。
解答解説
正解は 3. CO₂を排出するため です。
Kussmaul呼吸は、ケトアシドーシスなどの代謝性アシドーシスが原因で起こる深く速い呼吸です。代謝性アシドーシスの状態では血液中のH⁺(水素イオン)が増加し、血液が酸性に傾きます。この状態を改善するために、体は過剰なCO₂(炭酸ガス)を呼吸を通じて排出しようとします。CO₂が減少すると、血液中の酸性度が緩和され、pHの低下を抑えることができます。
各選択肢の解説
- O₂を取り込むため
Kussmaul呼吸はCO₂を排出することが主な目的であり、酸素の取り込みが直接の目的ではありません。この選択肢は誤りです。 - H⁺が減少したため
Kussmaul呼吸は、H⁺が増加し、体が代償的にCO₂を排出することでpHを調整しようとする反応です。H⁺が減少することが原因ではありません。 - CO₂を排出するため(正解)
代謝性アシドーシスではCO₂を排出することで血液のpHを調整しようとするため、Kussmaul呼吸が起こります。この選択肢が正解です。 - HCO₃⁻が増加したため
ケトアシドーシスでは、HCO₃⁻(重炭酸イオン)はむしろ消費されて減少します。HCO₃⁻の増加はKussmaul呼吸の原因ではありません。 - pHの上昇を基準値に戻すため
Kussmaul呼吸は、酸性に傾いたpHを正常範囲に戻すために起こりますが、pHの「上昇」自体が原因ではなく、CO₂排出によってアシドーシスを改善することが目的です。
ワンポイントアドバイス
Kussmaul呼吸は代謝性アシドーシスの代償反応であり、CO₂を排出することで血液の酸性度を下げようとする反応です。ケトアシドーシスなどで酸性に傾いた血液を調整するために深く速い呼吸が引き起こされることを理解しておきましょう。