第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題23

端座位で膝関節を完全伸展位から屈曲した際に生じるのはどれか。

  1. 前十字靭帯は弛緩する。
  2. 内側側副靭帯は緊張する。
  3. 屈曲初期に脛骨は外旋する。
  4. 内側半月板よりも外側半月板の方が大きく移動する。
  5. 屈曲初期にすべり運動が生じ、続いて転がり運動が加わる。

解答解説

正解は4. 内側半月板よりも外側半月板の方が大きく移動する。です。

解説

膝関節屈曲時における動きは以下のような特徴があります:

  • 半月板の動き
    膝関節が屈曲する際、半月板は後方に移動しますが、外側半月板の方が内側半月板よりも移動量が大きいです。これは、外側半月板が周囲の靭帯や関節包との結合が比較的少なく、自由に動きやすい構造であるためです。

この特性から、正解は4となります。

その他の選択肢

  1. 前十字靭帯は弛緩する。
    前十字靭帯は膝の伸展時に緊張し、屈曲時には多少緩むことはありますが、完全に弛緩するわけではありません。不正解です。
  2. 内側側副靭帯は緊張する。
    内側側副靭帯は膝の伸展時に緊張し、屈曲時には緩みます。このため、この選択肢は誤りです。
  3. 屈曲初期に脛骨は外旋する。
    脛骨の外旋(スクリューホームムーブメント)は、膝関節が伸展する際に起こる現象であり、屈曲時にはむしろ内旋が見られます。この選択肢は誤りです。
  4. 屈曲初期にすべり運動が生じ、続いて転がり運動が加わる。
    膝関節屈曲時には「転がり運動」が最初に生じ、その後「すべり運動」が加わります。この選択肢の順序は逆です。不正解です。

ワンポイントアドバイス

膝関節の動きについては、半月板の移動(外側が大きく動く)スクリューホームムーブメント(伸展で脛骨が外旋)、および転がりとすべり運動の順序をしっかり覚えることが重要です。これらは試験で頻出の内容なので、理解を深めておきましょう。