第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題69

肺活量算出に最低限必要な肺気量分画はどれか。2つ選べ。

  1. 予備吸気量
  2. 予備呼気量
  3. 1回換気量
  4. 全肺気量
  5. 残気量

解答解説

正解は 4.全肺気量5. 残気量です。

肺活量(Vital Capacity, VC) は、呼吸運動によって肺に出入りする空気量を示す指標で、以下のように計算されます:
肺活量 = 全肺気量(TLC) – 残気量(RV)

肺活量を算出するには「全肺気量」と「残気量」の2つが最低限必要です。これらにより、呼吸における最大の空気の移動量を求められます。

各選択肢の解説

  1. 予備吸気量
    この選択肢は誤りです。予備吸気量は、通常の吸気に加えてさらに吸い込むことができる空気量で、肺活量算出には直接関与しません。
  2. 予備呼気量
    この選択肢は誤りです。予備呼気量は、通常の呼気の後さらに吐き出せる空気量であり、肺活量算出に直接必要ではありません。
  3. 1回換気量
    この選択肢は誤りです。1回換気量は通常の呼吸で出入りする空気量で、肺活量算出に直接関係しません。
  4. 全肺気量
    この選択肢が正解です。全肺気量(TLC)は肺の総容量を指し、肺活量算出に必要です。
  5. 残気量
    この選択肢が正解です。残気量(RV)は、肺活量を計算する際に引く項目として必要です。

ワンポイントアドバイス

肺気量分画の理解は呼吸生理の基本です。「肺活量」は予備吸気量、1回換気量、予備呼気量の合計とも一致しますが、算出には全肺気量と残気量が必要です。この点を覚えておけば、肺活量や残気量を問う問題で迷わなくなります。