第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題3

Daniels らの徒手筋力テストによる検査方法を図1に、前腕中央部の断面図を図2に示す。図1の方法で段階3を判定できる筋は図2のどれか。

解答解説

正解は 1. ① です。

図1の方法は、母指を屈曲させる動きが確認されており、これは母指屈曲筋の筋力を評価するものです。この動作に関与する主な筋肉は母指屈筋長筋であり、この筋は**正中神経(①)**の支配を受けます。

各選択肢の解説


  1. 正解です。①は正中神経を示しており、母指屈筋長筋の支配神経です。母指の屈曲運動を担う主な筋肉として正しい選択です。

  2. 誤りです。②は尺骨神経を示していますが、母指屈曲筋には関与しません。尺骨神経は主に小指側の筋群(手内在筋など)を支配します。

  3. 誤りです。③は橈骨神経を示しており、主に手首や指の伸筋群を支配します。母指の屈曲運動には関与しません。

  4. 誤りです。④は尺骨そのものを示しており、神経ではありません。母指の屈曲筋力テストとは無関係です。

  5. 誤りです。⑤は橈骨を示しており、筋力テストには関与しません。

ワンポイントアドバイス

筋力テストを行う際には、支配神経と対象筋の動きの関係性を明確に理解することが重要です。母指屈筋長筋は正中神経支配であり、母指の屈曲運動の評価で特に重要な筋肉です。正中神経が橈骨神経や尺骨神経とどう異なるかも覚えておきましょう。