第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題100

概日リズムの障害による疾患はどれか。

  1. 睡眠時遊行症
  2. ナルコレプシー
  3. 睡眠相後退症候群
  4. むずむず脚症候群
  5. レム睡眠行動障害

解答解説

正解は 3. 睡眠相後退症候群 です。

概日リズムの障害は、24時間周期の生体リズムに異常が生じる疾患群です。睡眠相後退症候群は、入眠時間や起床時間が通常より大幅に遅れることで、社会生活に支障をきたす病態です。内因性のリズムが後退し、睡眠時間帯が夜遅くから朝遅くへとずれることが特徴です。

各選択肢の解説

  1. 睡眠時遊行症
    誤りです。睡眠時遊行症(睡眠時異常行動症の一種)は、主にノンレム睡眠中に発生する睡眠障害で、概日リズムとは関係がありません。 夜中に歩き回るなどの症状が特徴です。
  2. ナルコレプシー
    誤りです。ナルコレプシーは、過眠症の一種であり、概日リズムの障害ではなく、レム睡眠調節の異常が原因とされています。 日中の耐え難い眠気や情動脱力発作が特徴です。
  3. 睡眠相後退症候群
    正解です。睡眠相後退症候群は概日リズムの障害の1つです。 内因性のリズムが遅れるために、睡眠時間帯が通常よりも遅れる状態です。特に若年者で多くみられます。
  4. むずむず脚症候群
    誤りです。むずむず脚症候群は主に足に不快感を覚え、夜間に症状が悪化する運動障害の一種です。 概日リズム障害とは関連しません。
  5. レム睡眠行動障害
    誤りです。レム睡眠行動障害は、レム睡眠中に夢に基づく異常な行動が見られる疾患です。 概日リズムの異常とは直接関係ありません。

ワンポイントアドバイス

概日リズムの障害には「睡眠相後退症候群」や「非24時間睡眠覚醒症候群」などがあります。これらは主に入眠や起床のタイミングが正常な24時間周期から逸脱する状態を指します。症状や発症要因を整理し、他の睡眠障害と区別できるようにしておきましょう。