第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題28

歩行周期と筋活動パターンの関係を図に示す。このグラフが示す特徴をもつ筋はどれか。

  1. 大殿筋
  2. 中殿筋
  3. 大四頭筋
  4. ハムストリングス
  5. 下三頭筋

解答解説

正解は 5. 下三頭筋 です。
グラフは、立脚期中期から終期にかけて筋活動が徐々に高まり、足指離地の直前でピークに達する筋の活動パターンを示しています。この特徴は、歩行時に足関節のプランターフレクション(底屈)を担う下三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)に該当します。下三頭筋は立脚期終期に足を蹴り出す際に強く活動し、推進力を生み出します。

各選択肢の解説

  1. 大殿筋
    大殿筋は主に立脚期初期に活動し、骨盤を安定させる役割を果たします。 グラフの活動ピークとは一致しないため、この選択肢は誤りです。
  2. 中殿筋
    中殿筋は立脚期全体を通じて活動し、骨盤を支える役割があります。 しかし、活動のピークタイミングが図のグラフと異なるため、この選択肢は誤りです。
  3. 大四頭筋
    大四頭筋は主に立脚期初期(踵接地直後)に活動し、膝関節を安定させる役割を果たします。 立脚期終期に活動する筋ではないため、この選択肢は誤りです。
  4. ハムストリングス
    ハムストリングスは立脚期初期や遊脚期終期に活動しますが、立脚期終期に活動のピークを迎えるわけではありません。 この選択肢は誤りです。
  5. 下三頭筋
    正解です。下三頭筋は立脚期終期に足を蹴り出す動作で活動のピークを迎えます。 これは、グラフが示す活動パターンと一致します。

ワンポイントアドバイス

歩行周期における各筋の役割を理解することは重要です。特に、立脚期と遊脚期での主要な筋活動パターンを把握しておくことで、正常歩行の評価や異常歩行の分析に役立ちます。下三頭筋は立脚期終期の推進力に欠かせない筋であることを覚えておきましょう。