中脳(水平断)を図に示す。Parkinson病の病変部位はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
解答解説
正解は 4. ④ です。
Parkinson病の主な病変部位は、中脳にある黒質(④)です。黒質の緻密部(substantia nigra pars compacta)でドパミンを産生する神経細胞が変性・脱落することで、基底核の機能異常が生じ、運動症状(振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害)が発現します。
各選択肢の解説
- ①
①は中脳水道(aqueduct of Sylvius)であり、脳室系の一部です。 Parkinson病の病変部位とは無関係です。 - ②
②は赤核(red nucleus)です。赤核は姿勢や四肢の運動調節に関与しますが、Parkinson病の病変部位ではありません。 - ③
③は内側縦束(medial longitudinal fasciculus)で、眼球運動や姿勢反射に関与します。 Parkinson病とは直接関係しません。 - ④
正解です。④は黒質(substantia nigra)であり、Parkinson病で主に障害される部位です。 黒質緻密部の神経細胞が変性し、ドパミンの産生が低下します。 - ⑤
⑤は大脳脚(cerebral peduncle)です。運動伝導路である皮質脊髄路や皮質橋路が通りますが、Parkinson病の主病変部位ではありません。
ワンポイントアドバイス
Parkinson病は黒質のドパミン神経細胞が変性する神経変性疾患です。黒質は基底核の一部として、線条体と密接に連携し、運動制御を行います。中脳断面図で黒質の位置を把握しておくことで、臨床での病態理解が深まります。