脳卒中後の左片麻痺患者に対するADL練習として正しいのはどれか。
- 上衣を右上肢から着衣する。
- 浴槽に右下肢からまたいで入る。
- 階段を上るときに左下肢を先に出す。
- 階段を下りるときに右下肢を先に出す。
- 車椅子からベッドに移乗するときに左半身をベッドに寄せる。
解答解説
正解は 2. 浴槽に右下肢からまたいで入る。
左片麻痺患者におけるADL練習では、麻痺のない健側を優先的に使うことが基本です。浴槽への入浴動作では、麻痺のない右下肢から浴槽にまたぐことで、安全性が高まりスムーズな動作が可能になります。
各選択肢の解説
- 上衣を右上肢から着衣する。
着衣では、麻痺側(左上肢)から袖を通すのが基本です。 先に麻痺側を着衣し、健側を動かして仕上げる方が患者の負担が軽減します。この選択肢は誤りです。 - 浴槽に右下肢からまたいで入る。
正解です。麻痺のない右下肢を先に動かして浴槽にまたぐことで、動作が安定し、安全性が向上します。 これはADL練習で推奨される動作方法です。 - 階段を上るときに左下肢を先に出す。
階段を上る際は、健側(右下肢)を先に出すのが基本です。 健側で体重を支えながら麻痺側を持ち上げる方が安全です。この選択肢は誤りです。 - 階段を下りるときに右下肢を先に出す。
階段を下りる際は、麻痺側(左下肢)を先に出すのが基本です。 健側でしっかり体重を支えながら麻痺側を下ろす方が安全性が高まります。この選択肢は誤りです。 - 車椅子からベッドに移乗するときに左半身をベッドに寄せる。
移乗時は麻痺のない健側(右半身)をベッドに寄せる方が動作が安定します。 麻痺側を寄せると、体重移動が難しく危険です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
脳卒中後の片麻痺患者のADL練習では、「健側を活用する」「麻痺側を支える」の2つを基本原則として考えることが重要です。安全性と動作の安定性を優先し、患者の残存機能を最大限に活用した動作指導を行いましょう。