尿毒症で正しいのはどれか。
- 腎不全の初期にみられる。
- 代謝性アシドーシスを示す。
- 低カリウム血症を生じやすい。
- 透析患者の死亡原因で最も多い。
- 血清クレアチニン濃度は低下する。
解答解説
正解は 2. 代謝性アシドーシスを示す。
尿毒症は慢性腎不全の進行によって尿毒素が体内に蓄積し、さまざまな全身症状を引き起こす病態です。腎臓の排泄機能や調節機能が低下するため、代謝性アシドーシスが生じます。腎臓が酸塩基平衡を維持できなくなり、酸性物質が体内に蓄積することが原因です。
各選択肢の解説
- 腎不全の初期にみられる。
誤りです。尿毒症は腎不全が進行した末期にみられる病態です。 腎機能の高度な低下により、老廃物や毒素が体内に蓄積することで発症します。 - 代謝性アシドーシスを示す。
正解です。尿毒症では腎臓の調節機能低下により酸塩基平衡が崩れ、代謝性アシドーシスを引き起こします。 アシドーシスの原因は、酸性代謝産物の排泄障害や重炭酸イオン再吸収の障害です。 - 低カリウム血症を生じやすい。
誤りです。尿毒症ではむしろ高カリウム血症が生じやすいです。 腎臓のカリウム排泄機能が低下するため、血中カリウム濃度が上昇します。 - 透析患者の死亡原因で最も多い。
誤りです。透析患者の死亡原因として最も多いのは心血管疾患(心不全や心筋梗塞など)です。 尿毒症自体は、透析導入前にみられる病態です。 - 血清クレアチニン濃度は低下する。
誤りです。尿毒症では腎機能低下に伴い、血清クレアチニン濃度はむしろ上昇します。 クレアチニンは腎機能を評価する重要な指標の1つです。
ワンポイントアドバイス
尿毒症の特徴的な症状として、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、ナトリウム排泄障害、体液過剰が挙げられます。腎不全の進行に伴う症状として理解し、慢性腎不全や透析治療との関連を押さえておくことが重要です。