胃全摘出術後に起こりやすいのはどれか。
- 多血症
- てんかん
- 血小板減少
- 逆流性食道炎
- 高カルシウム血症
解答解説
正解は 4. 逆流性食道炎 です。
胃全摘出術後には、消化管の機能変化により逆流性食道炎が起こりやすくなります。胃がなくなることで、胃酸の逆流を防ぐ仕組みが弱くなり、食道粘膜が胃酸や胆汁にさらされやすくなるためです。この状態は、酸や胆汁による炎症や胸やけなどの症状を引き起こします。
各選択肢の解説
- 多血症
誤りです。胃全摘出術後では、むしろ貧血が起こりやすくなります。 胃の摘出により内因子(ビタミンB12吸収に必要)が分泌されなくなり、悪性貧血のリスクが高まります。 - てんかん
誤りです。てんかんは神経系の疾患であり、胃全摘出術とは関連がありません。 - 血小板減少
誤りです。胃全摘出術が直接血小板減少を引き起こすことはありません。 ただし、慢性的な栄養不良や貧血が続けば、血液成分に影響を及ぼす可能性はあります。 - 逆流性食道炎
正解です。胃全摘出術後には、食道と小腸が直接接続されるため、胃酸や胆汁が食道へ逆流しやすくなります。 胃酸の分泌量が減少しても、逆流性食道炎のリスクはむしろ増加します。 - 高カルシウム血症
誤りです。胃全摘出術後にはカルシウム吸収が低下することが多く、高カルシウム血症が起こる可能性は低いです。
ワンポイントアドバイス
胃全摘出術後の患者では、逆流性食道炎のほか、ダンピング症候群やビタミンB12欠乏による貧血もよく見られます。術後の症状や合併症を正確に理解しておくことが重要です。逆流性食道炎については、食事内容や姿勢の指導が予防に役立ちます。