集中治療室での急性期リハビリテーションに関して正しいのはどれか。
- 安全面から歩行練習は行わない。
- squeezingでは呼気時に肺を圧迫する。
- 頭部挙上位は全身状態が安定してから開始する。
- 総腓骨神経麻痺の発生予防には踵部の除圧が重要である。
- 体位排痰法では痰の貯留部位を下にした姿勢を保持する。
解答解説
正解は 2. squeezingでは呼気時に肺を圧迫する。
squeezing(スクイージング)は、呼吸理学療法の一環として行われる手法で、呼気時に胸郭を圧迫して呼気量を促進します。これにより痰の排出が助けられ、肺の換気効率が向上します。
各選択肢の解説
- 安全面から歩行練習は行わない。
誤りです。急性期リハビリテーションでは、患者の全身状態を適切に評価したうえで、早期離床や歩行練習が積極的に行われることがあります。 これは筋力低下や合併症(深部静脈血栓症など)の予防に重要です。 - squeezingでは呼気時に肺を圧迫する。
正解です。squeezingは、患者の呼気時に胸郭を圧迫して呼気量を増加させる手法です。 これにより、呼吸効率の向上や痰の排出促進が期待できます。 - 頭部挙上位は全身状態が安定してから開始する。
誤りです。頭部挙上位は早期から実施されることが多く、肺の換気改善や誤嚥予防に寄与します。 全身状態が完全に安定していなくても、段階的に進めることが推奨されます。 - 総腓骨神経麻痺の発生予防には踵部の除圧が重要である。
誤りです。総腓骨神経麻痺の予防には、腓骨頭部(膝外側部)の圧迫を避けることが重要です。 踵部の除圧は褥瘡予防には有効ですが、総腓骨神経麻痺とは関係がありません。 - 体位排痰法では痰の貯留部位を下にした姿勢を保持する。
誤りです。体位排痰法では痰の貯留部位を上にした姿勢を保持し、重力を利用して痰を排出しやすくする方法が取られます。
ワンポイントアドバイス
急性期リハビリテーションでは、安全に配慮しつつ、早期介入が重要です。呼吸療法(squeezingや体位排痰)、離床練習、神経麻痺や褥瘡の予防など、患者の状態に応じた適切な介入を選択することが求められます。特に呼吸療法の技法とその目的は試験で頻出ですので押さえておきましょう。