脳の病変部位と出現しやすい症候との組合せで正しいのはどれか。
- 黒質 感覚障害
- 視床 嗅覚障害
- 赤核 摂食嚥下障害
- 線条体 不随意運動
- 扁桃体 筋緊張異常
解答解説
正解は 4. 線条体 不随意運動 です。
線条体(主に被殻と尾状核)は、運動の調整や計画に関与する大脳基底核の一部です。この部位が障害されると、不随意運動(アテトーゼ、ジストニア、舞踏運動など)が出現します。代表例として、ハンチントン病が挙げられます。
各選択肢の解説
- 黒質 感覚障害
誤りです。黒質は運動調節に関与し、パーキンソン病の原因となる部位です。 感覚障害ではなく、振戦や筋強剛、運動緩慢が主な症状です。 - 視床 嗅覚障害
誤りです。視床は感覚の中継核であり、嗅覚を除く感覚を大脳皮質へ伝えます。 嗅覚障害は嗅神経や嗅球の病変により起こります。 - 赤核 摂食嚥下障害
誤りです。赤核は運動制御(特に四肢の屈筋)に関与します。 摂食嚥下障害は延髄や橋の病変が主な原因となります。 - 線条体 不随意運動
正解です。線条体の障害は不随意運動(アテトーゼ、舞踏運動など)の原因となります。 代表的疾患はハンチントン病です。 - 扁桃体 筋緊張異常
誤りです。扁桃体は情動の制御に関与します。 筋緊張異常ではなく、不安や恐怖反応などの情動異常が主な症状です。
ワンポイントアドバイス
脳の各部位と関連症状を覚える際には、特に大脳基底核(線条体、黒質、視床下核など)の役割と疾患を整理して覚えましょう。運動障害、感覚障害、情動障害など、病変による具体的な症候を理解することが重要です。