第55回理学療法士国家試験　午前問題80

加齢によっても保たれる精神機能はどれか。

1. 記銘力
2. 計算力
3. 注意力
4. 言語理解力
5. 情報処理速度

解答解説

正解は 4. 言語理解力 です。

加齢によって精神機能の一部は低下しますが、言語理解力は比較的保たれる傾向があります。言語理解力は結晶性知能に分類され、経験や知識の蓄積に依存するため、加齢の影響を受けにくいとされています。一方、流動性知能（記銘力や情報処理速度など）は加齢とともに低下する傾向があります。

各選択肢の解説

1. 記銘力
   誤りです。記銘力（新しい情報を記憶する能力）は加齢に伴い低下します。 短期記憶や新しい情報の学習が難しくなることが多いです。
2. 計算力
   誤りです。計算力も加齢によって低下する場合があります。 特に、注意力や集中力の低下が影響します。
3. 注意力
   誤りです。注意力は加齢に伴って低下します。 複数の作業を同時にこなす能力（分配注意）や選択的注意が特に影響を受けやすいです。
4. 言語理解力
   正解です。言語理解力は、経験や知識に基づく結晶性知能であり、加齢によっても比較的保たれる精神機能です。 語彙力や概念理解などもこれに含まれます。
5. 情報処理速度
   誤りです。情報処理速度は加齢とともに低下します。 これは流動性知能に分類され、加齢の影響を大きく受けます。

ワンポイントアドバイス

結晶性知能（言語理解力や語彙力など）は加齢の影響を受けにくいのに対し、流動性知能（記銘力、情報処理速度など）は加齢により低下します。この区別を明確に理解しておくことで、加齢による精神機能の変化について正確に答えられるようになります。