Froment徴候が陽性のとき、麻痺を疑うべき神経はどれか。
- 肩甲背神経
- 尺骨神経
- 正中神経
- 長胸神経
- 橈骨神経
解答解説
正解は 2. 尺骨神経 です。
Froment徴候は、尺骨神経麻痺を評価するテストです。特に、尺骨神経支配の母指内転筋の筋力低下を検出します。患者が紙を母指と示指でつまむ際に、母指内転筋が機能していないと、代償的に正中神経支配の長母指屈筋が働き、母指が屈曲します。この現象がFroment徴候の陽性所見です。
各選択肢の解説
- 肩甲背神経
肩甲背神経は菱形筋と肩甲挙筋を支配します。 Froment徴候とは関連がありません。この選択肢は誤りです。 - 尺骨神経
正解です。尺骨神経は母指内転筋や骨間筋を支配します。 Froment徴候の陽性所見は、尺骨神経麻痺を示唆します。 - 正中神経
正中神経は長母指屈筋や母指対立筋などを支配しますが、Froment徴候の陽性所見は尺骨神経麻痺に関連しています。 この選択肢は誤りです。 - 長胸神経
長胸神経は前鋸筋を支配し、翼状肩甲骨の有無を評価するテストに関連します。 Froment徴候とは無関係です。この選択肢は誤りです。 - 橈骨神経
橈骨神経は主に手首や指の伸筋を支配します。Froment徴候の陽性所見とは関連がありません。 この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
Froment徴候は尺骨神経麻痺を評価する代表的なテストです。紙をつまむ動作で母指内転筋の機能を観察し、尺骨神経の異常を疑います。正中神経や橈骨神経の障害と区別するために、解剖学的な支配領域を正確に把握しておくことが重要です。