頭部 MRI で正しいのはどれか。
- T2強調画像で髄液は低信号に描出される。
- 頭部CTに比べて脳幹部の病巣を観察しにくい。
- T2強調画像で脳梗塞による信号変化はみられない。
- 拡散強調画像は急性期の脳梗塞の診断に有用である。
- 頭部CTに比べて急性期の脳出血の診断に有用である。
解答解説
正解は 4. 拡散強調画像は急性期の脳梗塞の診断に有用である です。
**拡散強調画像(DWI)**は、急性期の脳梗塞の診断に非常に有用です。急性脳梗塞では、組織の水分移動が障害されるため、拡散強調画像で高信号(白く)に描出されます。これにより、早期に脳梗塞を検出することが可能です。
各選択肢の解説
- T2強調画像で髄液は低信号に描出される
T2強調画像では、髄液は高信号(白く)に描出されます。低信号(黒く)ではありませんので、この選択肢は誤りです。 - 頭部CTに比べて脳幹部の病巣を観察しにくい
MRIは頭部CTよりも脳幹部の解剖構造や病変を詳細に観察できるため、CTよりも脳幹病変の観察に適しています。この選択肢は誤りです。 - T2強調画像で脳梗塞による信号変化はみられない
T2強調画像では、脳梗塞による信号変化が確認できます。特に発症から時間が経過した脳梗塞では、病変部が高信号として描出されるため、この選択肢は誤りです。 - 拡散強調画像は急性期の脳梗塞の診断に有用である(正解)
拡散強調画像(DWI)は、急性期の脳梗塞における水分拡散の異常を検出するのに非常に敏感であり、早期診断に有用です。この選択肢が正解です。 - 頭部CTに比べて急性期の脳出血の診断に有用である
急性期の脳出血では、頭部CTのほうがMRIよりも早期診断に適しています。CTでは急性期の出血が高信号(白く)に描出され、出血の有無が迅速に確認できます。MRIは急性出血の評価には必ずしも適していないため、この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
MRIの拡散強調画像(DWI)は、急性期脳梗塞の診断に特に有用です。急性期の脳出血に関しては、頭部CTのほうが優れているため、各画像モダリティの適応と得意な領域を区別して覚えておきましょう。