第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題14

身体計測の結果を図に示す。厚さ3cmのクッションを用いる場合の車椅子の基本寸法で正しいのはどれか。

  1. 背もたれ高:45cm
  2. 肘掛けの高さ:23cm
  3. シート長(座長):43cm
  4. 膝窩からフットプレート:38cm
  5. 座幅:40cm

解答解説

正解は2. 肘掛けの高さ:23cm5. 座幅:40cmです。

解説

車椅子の基本寸法を決める際、身体計測値に適切な調整を加えることが重要です。以下、選択肢ごとの検討を説明します。

選択肢の検討

  1. 背もたれ高:45cm
    背もたれ高は、計測値(42cm)を基準とし、クッションの厚さ(3cm)を差し引いた高さが適切です。そのため、背もたれ高は39cm程度が適切であり、45cmは高すぎます。不正解です。
  2. 肘掛けの高さ:23cm
    肘掛けの高さは計測値(18cm)にクッションの厚さ(3cm)を加えた高さが適切です。この場合、18 + 3 = 23cmとなるため、正しい選択肢です。
  3. シート長(座長):43cm
    シート長は計測値(40cm)から2~3cm短く調整するのが適切です(膝窩の圧迫を防ぐため)。したがって、シート長は37~38cm程度が適切であり、43cmは長すぎます。不正解です。
  4. 膝窩からフットプレート:38cm
    膝窩からフットプレートまでの高さは、計測値(38cm)からクッションの厚さ(3cm)を差し引く必要があります。そのため、38 – 3 = 35cmが適切であり、38cmは高すぎます。不正解です。
  5. 座幅:40cm
    座幅は、計測値(35cm)に適度な余裕(約5cm)を加えた値が適切です。この場合、35 + 5 = 40cmとなるため、正しい選択肢です。

ワンポイントアドバイス

車椅子の調整では、身体計測値に対して以下の基準を覚えると便利です:

  • 肘掛けの高さ:計測値 + クッション厚さ
  • 座幅:計測値 + 約5cmの余裕
  • シート長:計測値 – 約2~3cm
  • フットプレート高さ:計測値 – クッション厚さ
    これらを基準に、快適で機能的な車椅子を選定することが重要です。