25歳の男性。野球の試合で走塁中に大腿後面に違和感と痛みが生じた。直後に整形外科を受診したところ、大腿部エックス線写真では骨折を認めなかった。この時点での物理療法で適切なのはどれか。
- 交代浴
- 極超短波
- アイシング
- ホットパック
- パラフィン浴
解答解説
正解は3. アイシングです。
解説
大腿後面の違和感と痛みは、筋損傷(例:肉離れ)が疑われます。この場合、急性期の対応として適切な物理療法が求められます。
- アイシングは、炎症反応を抑制し、血管収縮による腫脹の軽減と痛みの緩和を目的として、急性期(受傷直後)に行われる治療法です。この時点での最適な選択肢です。
その他の選択肢
- 交代浴
交代浴は温冷交互の刺激を用いて血液循環を促進する目的で用いられますが、急性期の炎症や損傷には適さないため不適切です。不正解です。 - 極超短波
極超短波は深部加温を目的としており、炎症が落ち着いた慢性期に適用される物理療法です。急性期では炎症を悪化させる可能性があるため、不適切です。不正解です。 - ホットパック
ホットパックは患部を温めるための方法ですが、急性期では血管拡張により炎症や腫脹を悪化させる可能性があります。慢性期に用いるべき方法であり、不適切です。不正解です。 - パラフィン浴
パラフィン浴は主に慢性期の手指や関節のリハビリテーションに用いられる温熱療法です。急性期の筋損傷には適していません。不正解です。
ワンポイントアドバイス
急性期(受傷直後)の対応は、RICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)が基本です。この中でもアイシングは炎症を抑える最優先の対応です。一方、温熱療法は慢性期以降に適用されるため、急性期には避けるべきであることをしっかり理解しておきましょう。