第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題57

リンパ系について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 胸腺はリンパ液を濾過する。
  2. 胸管は右鎖骨下静脈に流入する。
  3. 腸管由来のリンパ液を乳糜という。
  4. リンパ管には弁構造が存在しない。
  5. 右下肢のリンパ液は胸管に流入する。

解答解説

正解は3と5です。

リンパ系は体液の循環や免疫機能に関わります。腸管由来のリンパ液は乳糜と呼ばれ、脂肪を多く含む特徴があります。また、右下肢を含む下半身のリンパ液は胸管を通って静脈に流入します。他の選択肢は誤りです。

選択肢の解説

  1. 胸腺はリンパ液を濾過する。
    誤りです。 胸腺はリンパ球(T細胞)の成熟に関与しますが、リンパ液を濾過する機能はありません。リンパ液の濾過はリンパ節の役割です。
  2. 胸管は右鎖骨下静脈に流入する。
    誤りです。 胸管は左鎖骨下静脈と左内頸静脈の合流部に流入します。右鎖骨下静脈に流入するのは右リンパ本幹です。
  3. 腸管由来のリンパ液を乳糜という。
    正しい記述です。 腸管から吸収された脂肪を多く含むリンパ液は乳白色で、「乳糜」と呼ばれます。
  4. リンパ管には弁構造が存在しない。
    誤りです。 リンパ管には逆流を防ぐための弁構造が存在します。この構造によりリンパ液が一定方向に流れることが可能になります。
  5. 右下肢のリンパ液は胸管に流入する。
    正しい記述です。 右下肢を含む下半身のリンパ液は胸管を通り、左鎖骨下静脈付近に流入します。

ワンポイントアドバイス

リンパ系では胸管の役割が重要です。胸管は下半身、左上半身、左頭部のリンパ液を集め、左鎖骨下静脈に流入します。一方、右上半身と右頭部のリンパ液は右リンパ本幹を経て右鎖骨下静脈に流れます。この区別を確実に覚えましょう。