脳卒中回復期の嚥下障害に対する最も適切な栄養管理はどれか。
- 水分にとろみは使用しない。
- 胃瘻造設後には経口摂取は行わない。
- 経鼻胃管による経管栄養は誤嚥の危険はない。
- 点滴管理は栄養摂取量を考慮する必要はない。
- 経鼻胃管による経管栄養は長期的栄養管理には適さない。
解答解説
正解は 5. 経鼻胃管による経管栄養は長期的栄養管理には適さない です。
経鼻胃管による経管栄養は、栄養管理における一時的な手段として使用されますが、長期間の使用は推奨されていません。長期的に使用すると、鼻や咽頭の粘膜への負担が大きく、感染リスクも高まります。長期的な栄養管理が必要な場合には、胃瘻(PEG)などの他の方法が検討されます。
各選択肢の解説
- 水分にとろみは使用しない
嚥下障害がある患者では、水分にとろみをつけることで誤嚥のリスクを軽減することが多いです。とろみの使用は適切な嚥下管理方法の一つです。 - 胃瘻造設後には経口摂取は行わない
胃瘻を造設した後でも、嚥下機能が回復した場合には経口摂取が再開されることがあります。胃瘻は補助的な栄養管理手段として使用されるため、必ずしも経口摂取を禁止するわけではありません。 - 経鼻胃管による経管栄養は誤嚥の危険はない
経鼻胃管による栄養補給でも、逆流した内容物が気道に入ることで誤嚥のリスクが存在します。誤嚥の危険がないわけではないため、頭を高く上げるなどの対策が必要です。 - 点滴管理は栄養摂取量を考慮する必要はない
点滴による栄養管理では、水分量や電解質バランスが考慮されますが、栄養成分が限られているため、長期の栄養摂取としては不十分です。総合的な栄養管理が必要です。 - 経鼻胃管による経管栄養は長期的栄養管理には適さない(正解)
経鼻胃管は短期的な栄養管理には適していますが、長期的には鼻や喉の粘膜への負担が大きく、感染リスクが高まるため、長期使用には不向きです。
ワンポイントアドバイス
脳卒中回復期の嚥下障害患者には、栄養管理方法を慎重に選択することが重要です。経鼻胃管は短期的な栄養補給に使用し、長期管理には胃瘻が適しています。また、誤嚥リスクを軽減するための「とろみ」や体位管理も、嚥下障害の患者では重要なポイントです。