第55回理学療法士国家試験　午前問題52

錐体路を含むのはどれか。

1. 脳梁
2. 大脳脚
3. 上小脳脚
4. 中小脳脚
5. 下小脳脚

解答解説

正解は 2. 大脳脚 です。

錐体路は、運動指令を大脳皮質から脊髄の運動ニューロンに伝達する主要な経路です。大脳脚は中脳の一部であり、錐体路（皮質脊髄路および皮質延髄路）がここを通過します。この経路は随意運動の制御に関与します。

各選択肢の解説

1. 脳梁
   脳梁は左右の大脳半球を結ぶ神経線維の束で、錐体路には関与しません。 主に情報の統合や伝達を担っています。この選択肢は誤りです。
2. 大脳脚
   正解です。大脳脚は中脳の腹側に位置し、錐体路が通過します。 大脳皮質から脳幹や脊髄に向かう運動指令がこの部位を経由します。
3. 上小脳脚
   上小脳脚は小脳から大脳への出力を担う神経線維の束で、運動制御に関与しますが、錐体路とは直接関係ありません。 この選択肢は誤りです。
4. 中小脳脚
   中小脳脚は橋と小脳をつなぐ構造で、小脳に大脳皮質からの情報を伝達します。 錐体路とは関係がありません。この選択肢は誤りです。
5. 下小脳脚
   下小脳脚は延髄と小脳をつなぎ、主に脊髄や内耳から小脳への情報を伝達します。 錐体路とは関係がありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

錐体路は随意運動の制御に関わる重要な経路で、主に皮質脊髄路と皮質延髄路から成ります。その経路上にある「大脳脚」「内包」「延髄錐体」などの部位を通過することを覚えておきましょう。