第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題59

左顔面を図に示す。網かけ部分を支配している感覚神経はどれか。

  1. 眼神経
  2. 顔面神経
  3. 鼓室神経
  4. 耳介側頭神経
  5. 上顎神経

解答解説

正解は 5. 上顎神経 です。

三叉神経(第5脳神経)は、顔面の感覚を支配する3つの枝に分かれています。網かけ部分は、上顎神経(V2)の支配領域に該当します。上顎神経は、眼窩下神経を通じて顔面の上唇、頬、鼻翼などの感覚を伝達します。

各選択肢の解説

  1. 眼神経
    眼神経(V1)は三叉神経の第1枝で、額、頭頂部、上まぶた、鼻根部の感覚を支配します。 網かけ部分の領域は含まれません。この選択肢は誤りです。
  2. 顔面神経
    顔面神経(第7脳神経)は主に顔面筋の運動を支配し、感覚神経としては舌の前2/3の味覚に関与します。 顔面の感覚は三叉神経が支配するため、この選択肢は誤りです。
  3. 鼓室神経
    鼓室神経は舌咽神経(第9脳神経)の枝で、中耳や咽頭、唾液腺に関連します。 顔面の感覚支配には関与しません。この選択肢は誤りです。
  4. 耳介側頭神経
    耳介側頭神経は下顎神経(V3)の枝で、耳周囲や側頭部の感覚を支配します。 網かけ部分の領域ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 上顎神経
    正解です。上顎神経(V2)は三叉神経の第2枝で、上唇、頬、鼻翼など顔面中央部の感覚を支配します。 網かけ部分はこの支配領域に含まれます。

ワンポイントアドバイス

三叉神経の3つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)の支配領域をしっかり区別して覚えましょう。顔面神経は運動を主に担う神経である点も重要です。また、上顎神経が感覚を伝達する具体的な部位(上唇、頬など)を押さえておくと臨床で役立ちます。