腎臓の排尿機構で正しいのはどれか。
- Bowman囊は集合管に接続する。
- 近位尿細管ではNa⁺が再吸収される。
- ネフロンは糸球体と近位尿細管から構成される。
- 糸球体ではアルブミンは水よりも濾過されやすい。
- 糸球体濾過量は健常成人では日に〜1.5 Lである。
解答解説
正解は 2. 近位尿細管ではNa⁺が再吸収される。
腎臓の近位尿細管では、Na⁺(ナトリウム)をはじめ、水やグルコース、アミノ酸などの物質が積極的に再吸収されます。Na⁺はナトリウム・カリウムポンプを介して再吸収され、これが体液量や電解質バランスの維持に重要です。
各選択肢の解説
- Bowman囊は集合管に接続する。
誤りです。Bowman囊は糸球体を囲む構造で、尿細管系の始まりに位置します。 集合管に直接接続するのは遠位尿細管です。 - 近位尿細管ではNa⁺が再吸収される。
正解です。近位尿細管ではNa⁺が効率的に再吸収されます。 同時に水や他の溶質も再吸収されます。 - ネフロンは糸球体と近位尿細管から構成される。
誤りです。ネフロンは糸球体、Bowman囊、尿細管(近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管)および集合管で構成されます。 近位尿細管だけではありません。 - 糸球体ではアルブミンは水よりも濾過されやすい。
誤りです。アルブミンは分子量が大きく、糸球体の濾過膜を通過しにくいため、正常な腎臓ではほとんど濾過されません。 水は容易に濾過されます。 - 糸球体濾過量は健常成人では日に〜1.5 Lである。
誤りです。糸球体濾過量(GFR)は健常成人では約180 L/日(120 mL/分)です。 約1.5 Lというのは通常、尿量の値です。
ワンポイントアドバイス
腎臓の構造と機能を理解する際には、ネフロンの各部位(糸球体、尿細管、集合管)の役割を明確に覚えることが重要です。また、GFRや尿量の正常値を把握しておくことで、臨床的な異常を見抜きやすくなります。特に近位尿細管での再吸収機能は試験で頻出です。