第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題31

変形性膝関節症で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 二次性が多い。
  2. 男性に好発する。
  3. 外反変形を生じやすい。
  4. 運動開始時に痛がある。
  5. 大四頭筋の萎縮を認める。

解答解説

正解は 4. 運動開始時に痛がある。 5. 大四頭筋の萎縮を認める。

選択肢ごとの解説

  1. 二次性が多い。
    変形性膝関節症は一次性が多く、中高年の加齢や体重負荷による関節軟骨の変性が原因となります。 一次性が主であり、二次性(外傷や基礎疾患によるもの)は少数です。この選択肢は誤りです。
  2. 男性に好発する。
    変形性膝関節症は女性に多く発生します。特に閉経後の女性はホルモンの影響で骨や関節への負担が増し、発症リスクが高まります。 この選択肢は誤りです。
  3. 外反変形を生じやすい。
    変形性膝関節症では、内反変形(O脚)が一般的です。 膝内側に負荷が集中しやすいため、外反変形(X脚)はまれです。この選択肢は誤りです。
  4. 運動開始時に痛がある。
    正解です。変形性膝関節症では、いわゆる「始動痛」が特徴的です。 安静後の初動時に痛みを感じ、動き始めると徐々に軽減する場合が多いです。
  5. 大四頭筋の萎縮を認める。
    正解です。膝関節を安定させる大四頭筋が萎縮すると、膝関節への負担が増加します。 これは変形性膝関節症の進行因子の一つとされています。

ワンポイントアドバイス

変形性膝関節症は、中高年の女性に多く見られる疾患です。主な症状として、「始動痛」や膝内側の痛み、O脚(内反変形)が挙げられます。また、大四頭筋の萎縮が関節の安定性低下を引き起こし、悪循環を生むため、大四頭筋の筋力強化が治療や予防において重要です。