第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題68

体温調節の中枢で正しいのはどれか。

  1. 中脳
  2. 扁桃体
  3. 視床下部
  4. 小脳虫部
  5. 補足運動野

解答解説

正解は 3. 視床下部 です。

体温調節の中枢は視床下部にあります。視床下部には、体温を一定に保つための温熱中枢と冷却中枢が存在し、発汗、血管収縮・拡張、筋肉のふるえ(シバリング)などを制御します。これにより、外部環境の変化に応じて体温の恒常性が維持されます。

各選択肢の解説

  1. 中脳
    誤りです。中脳は姿勢制御や眼球運動などに関与しますが、体温調節には直接関わりません。
  2. 扁桃体
    誤りです。扁桃体は情動や記憶の処理に関与する大脳辺縁系の一部です。体温調節には関係しません。
  3. 視床下部
    正解です。視床下部は自律神経系や内分泌系の調節中枢であり、体温調節の司令塔として働きます。 体温が上昇すると発汗を促し、低下するとシバリングや血管収縮を引き起こします。
  4. 小脳虫部
    誤りです。小脳虫部は主に体幹の平衡や運動の調節に関与しますが、体温調節には関わりません。
  5. 補足運動野
    誤りです。補足運動野は前頭葉の一部で、運動の計画や調整に関与します。体温調節には直接関与しません。

ワンポイントアドバイス

体温調節において、視床下部が中心的な役割を果たすことを理解しましょう。特に、温熱中枢(前視床下部)と冷却中枢(後視床下部)の存在を押さえることが重要です。また、体温調節に関連する発汗、血管反応、筋収縮(シバリング)の仕組みも試験で頻出のポイントです。