第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題3

関節可動域測定法 (日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)における右下肢関節の測定肢位で正しいのはどれか。

解答解説

正解は3. 膝屈曲です。
膝関節の屈曲の測定肢位は仰臥位で行います。測定する側の股関節を屈曲させた状態で膝をさらに屈曲させ、可動域を測定します。 図3はこの測定肢位を正確に表しており、適切な姿勢が示されています。

各選択肢の解説

  1. 股屈曲
    股関節屈曲の測定では、仰臥位で非測定側の下肢を伸ばした状態で測定します。 図1は股屈曲の測定肢位を示していますが、問題の正答である「膝屈曲」ではありません。
  2. 股伸展
    股関節の伸展測定は通常、腹臥位または仰臥位で行われますが、図2の肢位は仰臥位のため、骨盤が動きやすく、測定が不正確になる可能性があります。 図2の肢位は基準に完全には一致しません。
  3. 膝屈曲
    正解です。膝関節の屈曲測定では、図3のように仰臥位で股関節を屈曲させた状態で膝を屈曲させます。 この肢位は、日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会の基準に則った正しい測定方法です。
  4. 足背屈
    足関節の背屈測定は、図4のように足底が直角になるよう仰臥位で行います。 ただし、図4は正しい測定肢位を示しているものの、問題の正解には該当しません。
  5. 足部内がえし
    足部内がえしの測定は、図5にあるように立位や仰臥位で測定します。 測定する際には足部の基底面を固定し、内がえしの可動域を測定しますが、この図は正解の「膝屈曲」とは異なります。

ワンポイントアドバイス

膝屈曲の測定肢位では、測定側の股関節を屈曲させることでハムストリングスの伸張が緩和され、正確な可動域を測定できます。 測定時は非測定側の下肢を伸ばしたままにし、骨盤の動きを抑えることも重要です。