75歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅣ。歩行時に小刻み歩行、突進現象、すくみ足が出現する。歩行練習として適切なのはどれか。
- 速く歩く。
- 広いところで歩く。
- 床に引いた一本線上を歩く。
- 目標地点の手前を注視して歩く。
- お盆に載せたコップを運びながら歩く。
解答解説
正解は2. 広いところで歩くです。
Hoehn & YahrステージⅣでは、患者は日常生活に他者の補助を要することが多く、歩行障害も顕著になります。歩行練習では安全を最優先し、広く障害物のない環境で練習することが適切です。これにより突進現象やすくみ足による転倒リスクを最小限に抑えられます。 また、練習環境を整えることで患者の不安を軽減し、歩行の安定性が向上します。
各選択肢の解説
- 速く歩く。
速く歩くことは突進現象を助長し、転倒リスクを高めるため不適切です。 Parkinson病患者には歩行のペースを落とし、一定のリズムで歩くことが推奨されます。 - 広いところで歩く。
正解です。広く障害物のない環境では安全性が高まり、転倒リスクを減らすことができます。 また、歩行練習に集中しやすくなるため、適切な方法といえます。 - 床に引いた一本線上を歩く。
一本線上を歩く練習はバランス訓練に用いられることがありますが、小刻み歩行やすくみ足がある患者にはかえって転倒リスクが高まる可能性があります。 Parkinson病患者にとっては不適切です。 - 目標地点の手前を注視して歩く。
目標地点を設定することは歩行改善に有効ですが、手前を注視することで頭が下がりやすく、姿勢が悪化してバランスを崩す可能性があります。 正しい方法は、目線を前方の一定の高さに保つことです。 - お盆に載せたコップを運びながら歩く。
お盆を運ぶなどの二重課題は、注意を分散させて転倒リスクを高めるため、特に歩行障害のある患者には不適切です。 Parkinson病患者には安全性が最優先されます。
ワンポイントアドバイス
Parkinson病患者の歩行練習では、安全性の確保が最優先です。突進現象やすくみ足が見られる場合は、広く障害物のない環境での練習が推奨されます。また、一定のリズムや視線の管理も重要なポイントです。