第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題29

義足の遊脚相において下部の振り出し速度を制御する膝継手はどれか。

  1. 固定膝
  2. 可変摩擦膝
  3. 荷重ブレーキ膝
  4. バウンシング機構付き
  5. イールディング機構付き

解答解説

正解は 2. 可変摩擦膝 です。
可変摩擦膝は、義足の遊脚相における振り出し速度を制御する機能を持つ膝継手です。歩行速度や動きに応じて摩擦力を調整することで、振り出し速度を適切に管理し、自然な歩行パターンを実現します。この特性により、歩行中の義足の振り出しがスムーズになり、転倒リスクの軽減にもつながります。

各選択肢の解説

  1. 固定膝
    固定膝は膝継手が固定されているため、遊脚相の振り出し速度を制御することはできません。 主に、安定性を優先する場合に使用される膝継手です。
  2. 可変摩擦膝
    正解です。可変摩擦膝は、義足の振り出し速度を歩行速度や状況に応じて調整可能な膝継手です。 摩擦力を変化させることでスムーズな歩行を実現します。
  3. 荷重ブレーキ膝
    荷重ブレーキ膝は立脚相で膝折れを防ぐための機能を持つ膝継手であり、遊脚相の速度制御には関係ありません。 したがって、この選択肢は誤りです。
  4. バウンシング機構付き
    バウンシング機構は衝撃吸収に関連する機構であり、振り出し速度の制御とは関係がありません。 この選択肢も誤りです。
  5. イールディング機構付き
    イールディング機構は膝が部分的に屈曲することで衝撃を吸収する機能であり、振り出し速度の制御とは異なります。 この選択肢も誤りです。

ワンポイントアドバイス

義足の膝継手は、立脚相と遊脚相の役割に応じて異なる機能を果たします。遊脚相では、可変摩擦膝のように振り出し速度を調整する機能が重要です。一方、荷重ブレーキ膝などは立脚相の安定性を高めるための機能を持つため、それぞれの役割を明確に区別して覚えておきましょう。