陽性転移はどれか。
- 医療者が患者に過剰な親近感を抱く。
- 医療者が患者に怒りの感情を示す。
- 患者が医療者に好意を寄せる。
- 患者が医療者を強く軽蔑する。
- 患者が医療者を嫌悪する。
解答解説
正解は 3. 患者が医療者に好意を寄せる です。
陽性転移とは、患者が過去の重要な人物(親、兄弟、恩師など)に抱いていた好意的な感情や信頼の感情を、医療者や治療者に対して向けることです。この転移により、患者は治療者に親近感や信頼感を抱くため、治療関係の構築に役立つこともあります。
各選択肢の解説
- 医療者が患者に過剰な親近感を抱く
これは逆転移の一例で、治療者側が患者に対して強い感情(好意、親近感など)を抱く現象です。転移とは逆で、治療者が感情を患者に向ける場合に逆転移と呼ばれます。 - 医療者が患者に怒りの感情を示す
これも逆転移に分類され、治療者が患者に対して否定的な感情(怒りなど)を抱くことです。陽性転移とは異なります。 - 患者が医療者に好意を寄せる(正解)
患者が治療者に対して好意的な感情を抱く場合、これを陽性転移と呼びます。治療関係において、ポジティブな転移は治療の信頼関係を深める効果があります。 - 患者が医療者を強く軽蔑する
これは陰性転移の一例で、患者が治療者に対して過去の否定的な感情(軽蔑、怒りなど)を向けることです。 - 患者が医療者を嫌悪する
これも陰性転移に分類され、患者が治療者に対して嫌悪や反感の感情を抱く場合です。陽性転移とは逆の反応です。
ワンポイントアドバイス
陽性転移は、治療関係を築く上で重要な要素ですが、過剰な依存や親近感が問題になることもあります。一方、陰性転移や逆転移の認識と対応も重要であり、感情の扱い方を理解しておくことが大切です。