36歳の男性。交通事故による外傷性脳損傷のため3日前に入院した。病室訪問時、呼びかけても開眼しておらず、大きな声で呼びかけたが開眼せず、体を揺さぶって初めて開眼したがすぐに閉眼してしまう。JCS(Japan coma scale)で評価した意識レベルはどれか。
- II-10
- II-20
- II-30
- III-100
- III-200
解答解説
正解は2. II-20です。
解説
JCS(Japan Coma Scale)は、日本で広く使用される意識レベルの評価尺度です。本問題では、患者は「体を揺さぶる強い刺激で初めて開眼するが、すぐに閉眼」する状態が示されています。この場合、JCS基準では以下のように分類されます。
- II-10:普通の呼びかけで容易に開眼する状態
- II-20:大きな声または体を揺さぶるなどの強い刺激で開眼する状態
- II-30:痛み刺激でようやく開眼する状態
この患者の場合、体を揺さぶる刺激で開眼するため、II-20が適切です。
その他の選択肢
- II-10
普通の呼びかけで容易に開眼する場合を指しますが、本症例では体を揺さぶる必要があるため不正解です。 - II-30
痛み刺激で開眼する状態を指します。本症例では痛み刺激まで至らず、揺さぶる刺激で開眼しているため不正解です。 - III-100
刺激に対して全く反応がないが、生命維持に必要な自発的運動がある状態を指します。本症例では刺激で開眼しているため不正解です。 - III-200
刺激に対して全く反応がなく、自発的運動も見られない状態を指します。本症例とは異なるため不正解です。
ワンポイントアドバイス
JCSの分類では、「呼びかけ」、「揺さぶり」、「痛み刺激」の3段階の刺激強度が評価の基準になります。それぞれの刺激に対する反応を正確に分類できるよう、JCSの区分を暗記しておきましょう。特にII(刺激で開眼するレベル)とIII(刺激に反応しないレベル)を混同しないように注意してください。