病原体と腫瘍発生との組合せで誤っているのはどれか。
- A 型肝炎ウイルス ―― 肝細胞癌
- Epstein Barr ウイルス ―― Burkitt リンパ腫
- HTLV-I ―― 成人 T 細胞白血病
- ヒトパピローマウイルス ―― 子宮頸癌
- ヘリコバクター・ピロリ菌 ―― 胃癌
解答解説
正解は1. A 型肝炎ウイルス 肝細胞癌です。
解説
各選択肢の解説
- A 型肝炎ウイルス ―― 肝細胞癌(誤り)
- A型肝炎ウイルス(HAV)は急性肝炎を引き起こしますが、慢性化しないため肝細胞癌の発生には関与しません。肝細胞癌は主にB型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)との関連が深いです。
- Epstein Barr ウイルス ―― Burkitt リンパ腫(正しい)
- Epstein Barr ウイルス(EBV)は、Burkittリンパ腫や鼻咽頭癌などの腫瘍発生に関与します。特に免疫抑制状態下で腫瘍形成が進行することが知られています。
- HTLV-I ―― 成人 T 細胞白血病(正しい)
- ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)は、成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとして確立されています。特に日本では九州地方などで感染者が多く見られます。
- ヒトパピローマウイルス ―― 子宮頸癌(正しい)
- ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頸癌や尖圭コンジローマの原因ウイルスとして知られています。特にHPV16型や18型が高リスク型で、発癌に強く関与します。
- ヘリコバクター・ピロリ菌 ―― 胃癌(正しい)
- ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、胃癌の重要なリスク因子です。特に慢性胃炎や萎縮性胃炎を経て発癌に至ることが多いです。除菌治療が胃癌予防として推奨されています。
ワンポイントアドバイス
感染症と腫瘍発生との関連性を問う問題では、以下を押さえておきましょう:
- ウイルス由来の腫瘍:HBV、HCV(肝細胞癌)、EBV(リンパ腫、鼻咽頭癌)、HTLV-I(ATL)、HPV(子宮頸癌)。
- 細菌由来の腫瘍:ヘリコバクター・ピロリ菌(胃癌)。
病原体と腫瘍の関連を整理して覚えることで、試験対策や臨床の理解が深まります。