第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題74

努力性呼気時に働く筋はどれか。2つ選べ。

  1. 腹直筋
  2. 横隔膜
  3. 外肋間筋
  4. 内肋間筋
  5. 胸鎖乳突筋

解答解説

正解は1. 腹直筋4. 内肋間筋です。

解説

呼吸筋には、通常の安静呼吸に関与する筋と、努力性呼吸時に補助的に働く筋があります。努力性呼気では、胸郭を下げることで胸腔を縮小させ、空気を押し出す筋が活動します。

各選択肢の解説

  1. 腹直筋(正解)
    • 腹直筋は、腹筋群の1つであり、腹圧を高めて横隔膜を押し上げる作用があります。この作用によって胸腔が縮小し、努力性呼気を助けます。
  2. 横隔膜(誤り)
    • 横隔膜は主に吸気時に働く筋で、呼気時には弛緩して上昇します。努力性呼気に直接的な関与はありません。
  3. 外肋間筋(誤り)
    • 外肋間筋は肋骨を引き上げる作用があり、吸気時に主に働きます。呼気時には活動しません。
  4. 内肋間筋(正解)
    • 内肋間筋は肋骨を引き下げる作用があり、胸郭を縮小させることで努力性呼気を助けます。特に肋骨間の空間を狭める動きに関与します。
  5. 胸鎖乳突筋(誤り)
    • 胸鎖乳突筋は、吸気時に働く補助呼吸筋です。努力性呼気には関与しません。

ワンポイントアドバイス

  • 呼気筋の働き:安静呼気は基本的に筋の弛緩による受動的な動きですが、努力性呼気では腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)や内肋間筋が重要です。
  • 吸気筋と呼気筋を区別:吸気に働く筋(外肋間筋、横隔膜、胸鎖乳突筋など)と、呼気に働く筋をしっかり区別して覚えましょう。

努力性呼吸は、呼吸機能検査や呼吸リハビリの評価・指導で重要なポイントになります。