第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題69

代謝で誤っているのはどれか。

  1. 呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によって異なる。
  2. 特異動的作用(SDA)とは食物摂取後の体温上昇である。
  3. 基礎代謝量(BM)は同性、同年齢ならば体表面積に比例する。
  4. エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である。
  5. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である。

解答解説

正解は5. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度であるです。

解説

各選択肢の解説

  1. 呼吸商(RQ)は摂取する栄養素によって異なる(正しい)
    • 呼吸商(RQ)は、二酸化炭素排出量/酸素消費量で計算されます。栄養素により異なり、以下のような値を示します:
      • 炭水化物:1.0
      • 脂質:0.7
      • タンパク質:0.8程度
  2. 特異動的作用(SDA)とは食物摂取後の体温上昇である(正しい)
    • 特異動的作用(SDA)は、食物摂取後にエネルギー代謝が増加し、体温が上昇する現象を指します。これは消化や吸収、栄養素の代謝にエネルギーが使われるためです。
  3. 基礎代謝量(BM)は同性、同年齢ならば体表面積に比例する(正しい)
    • 基礎代謝量は主に体表面積に比例します。同じ性別・年齢であれば、体表面積の大きい人ほど基礎代謝量が高くなります。
  4. エネルギー代謝率(RMR)は基礎代謝量を基準とした運動強度である(正しい)
    • エネルギー代謝率(RMR)は、基礎代謝量に対する運動時のエネルギー消費率を指します。運動強度の評価に用いられる概念です。
  5. 代謝当量(MET)は安静臥位時の代謝量を基準とした運動強度である(誤り)
    • 代謝当量(MET)は安静座位時の代謝量を基準としています。1METは安静座位での酸素消費量(約3.5mL/kg/分)に相当し、これを基準に運動強度を評価します。

ワンポイントアドバイス

  • MET安静座位を基準とし、日常活動や運動のエネルギー消費を比較する際に用います。
  • SDAは「食事誘発性熱産生」とも呼ばれ、代謝を理解する重要な要素です。
  • 基礎代謝の要因(体表面積や年齢など)も整理して覚えておきましょう。