摂食嚥下の咽頭期に生じる現象で正しいのはどれか。
- 吸気
- 咀嚼
- 喉頭蓋反転
- 鼻咽腔開放
- 輪状咽頭筋収縮
解答解説
正解は3. 喉頭蓋反転です。
解説
摂食嚥下は、先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5つの段階に分かれます。この中で咽頭期は、食塊が安全に食道へ送られるために重要な反射的過程が進行します。
咽頭期に生じる主な現象
- 喉頭蓋反転:喉頭蓋が反転して気道を閉じ、誤嚥を防止します。
- 鼻咽腔の閉鎖:軟口蓋が挙上し、食塊が鼻腔へ逆流しないようにします。
- 喉頭の挙上:喉頭が挙上することで、食道入口が開放されます。
- 輪状咽頭筋(上部食道括約筋)の弛緩:食塊が食道へ送られます。
- 呼吸停止(嚥下性無呼吸):嚥下中に誤嚥を防ぐため、一時的に呼吸が停止します。
各選択肢の解説
- 吸気(誤り)
- 咽頭期には呼吸が一時停止(嚥下性無呼吸)するため、吸気は生じません。
- 咀嚼(誤り)
- 咀嚼は摂食嚥下の準備期に行われる動作であり、咽頭期では発生しません。
- 喉頭蓋反転(正解)
- 食塊が喉頭に入らないように喉頭蓋が反転し、気道を閉じる現象です。これは咽頭期の特徴的な現象で、誤嚥防止に重要です。
- 鼻咽腔開放(誤り)
- 咽頭期では、鼻咽腔は閉鎖されます。軟口蓋が挙上し、食塊が鼻腔へ逆流するのを防ぎます。
- 輪状咽頭筋収縮(誤り)
- 咽頭期には、食塊を食道に送るために輪状咽頭筋が弛緩します。収縮するのは食塊が通過した後です。
ワンポイントアドバイス
摂食嚥下の各期における動作を整理して覚えましょう。特に咽頭期では、
- 喉頭蓋反転
- 呼吸停止
- 鼻咽腔閉鎖
- 喉頭挙上
が重要です。誤嚥や逆流を防ぐ仕組みをイメージすると理解しやすくなります。