心筋の再分極に最も影響するのはどれか。
- Ca²⁺電流
- K⁺電流
- Na⁺電流
- 細胞外電流
- ペースメーカー電流
解答解説
正解は2. K⁺電流です。
解説
心筋活動電位の概要
心筋細胞の活動電位は以下の5つの相に分けられます:
- 相0(急速脱分極):Na⁺チャネルが開き、Na⁺電流が急激に流入する。
- 相1(初期再分極):K⁺チャネルが開き、K⁺が外へ流出する。
- 相2(プラトー相):Ca²⁺チャネルが開き、Ca²⁺が流入し、K⁺流出とバランスを取る。
- 相3(再分極):K⁺チャネルの流出が優勢となり、膜電位が元の静止電位に戻る。
- 相4(静止膜電位):K⁺チャネルが閉じ、膜電位が安定する。
再分極の主な要因
- 再分極(相3)では、K⁺チャネルが開き、K⁺が細胞外へ流出することで膜電位が負の方向に戻ります。
- このK⁺電流が再分極の主要な電流であり、最も大きな影響を及ぼします。
各選択肢の解説
- Ca²⁺電流(誤り)
- Ca²⁺電流はプラトー相(相2)で重要な役割を果たしますが、再分極(相3)ではむしろ低下し、K⁺電流が優勢になります。
- K⁺電流(正解)
- 再分極で主に働く電流であり、細胞外へのK⁺の流出が膜電位を静止電位に戻します。
- Na⁺電流(誤り)
- Na⁺電流は急速脱分極(相0)で重要です。再分極には関与しません。
- 細胞外電流(誤り)
- 細胞外電流は直接的な再分極の主因ではありません。K⁺電流が主要な要因です。
- ペースメーカー電流(誤り)
- ペースメーカー電流は主に洞房結節や房室結節の自動能に関与し、心筋の再分極には影響を与えません。
ワンポイントアドバイス
心筋活動電位の各相に関連するイオン電流を明確に把握しましょう:
- 相0(脱分極):Na⁺流入
- 相1(初期再分極):K⁺流出
- 相2(プラトー相):Ca²⁺流入とK⁺流出のバランス
- 相3(再分極):K⁺流出
- 相4(静止膜電位):安定
試験では再分極やプラトー相など、特定の相と関連するイオンの動きを問われることが多いので、整理して覚えましょう。