遺伝情報伝達で正しいのはどれか。
- リボゾームRNAはATP産生に関与する。
- DNAではアデニンはシトシンと結合している。
- 核の中のすべてのDNAの塩基配列をゲノムという。
- DNAから転移RNA(tRNA)に塩基配列が転写される。
- 伝令RNA(mRNA)上では2個の塩基の組み合わせが1つの暗号の単位を形成する。
解答解説
正解は3. 核の中のすべてのDNAの塩基配列をゲノムというです。
解説
選択肢の解説
- リボゾームRNAはATP産生に関与する(誤り)
- リボソームRNA(rRNA)は、リボソームの構成成分としてタンパク質合成に関与します。ATP産生に直接関与するのは、主にミトコンドリア内の酵素群です。
- DNAではアデニンはシトシンと結合している(誤り)
- DNAでは、アデニン(A)はチミン(T)と結合し、シトシン(C)はグアニン(G)と結合します。選択肢は誤りです。
- 核の中のすべてのDNAの塩基配列をゲノムという(正解)
- ゲノムとは、細胞内に存在するすべての遺伝情報を指します。ヒトのゲノムには約30億塩基対が含まれています。この定義は正しいです。
- DNAから転移RNA(tRNA)に塩基配列が転写される(誤り)
- 転写はDNAから伝令RNA(mRNA)に塩基配列が写し取られる過程です。tRNAはmRNAのコドンに対応するアンチコドンを持ち、翻訳に関与しますが、転写されるわけではありません。
- 伝令RNA(mRNA)上では2個の塩基の組み合わせが1つの暗号の単位を形成する(誤り)
- mRNAでは、3個の塩基(トリプレット)が1つのコドンとしてアミノ酸を指定します。2個ではなく3個が暗号単位です。
ワンポイントアドバイス
遺伝情報伝達の基本的な流れを整理すると覚えやすいです:
- DNA → mRNA(転写) → タンパク質(翻訳)
また、DNAの塩基対(A-T、C-G)やmRNAでのコドン(3塩基)を暗号単位とすることも試験で頻出ですので、正確に押さえましょう。