末梢神経と体表からの触知部位との組み合わせで正しいのはどれか。
- 腕神経叢 ―― 胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間
- 正中神経 ―― 上腕近位部で烏口腕筋の外側
- 尺骨神経 ―― 肘頭と上腕骨内側上顆の間
- 脛骨神経 ―― 外果とアキレス腱の間
- 総腓骨神経 ―― 膝窩部で半腱様筋腱の内側
解答解説
正解は3. 尺骨神経 肘頭と上腕骨内側上顆の間です。
解説
各選択肢の解説
- 腕神経叢 ―― 胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間(誤り)
- 腕神経叢は頸部で鎖骨のすぐ上、斜角筋間隙を通過します。胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間では触知できません。
- 正中神経 ―― 上腕近位部で烏口腕筋の外側(誤り)
- 正中神経は上腕近位部で上腕動脈に沿って走行し、烏口腕筋の内側を通ります。外側では触知できません。
- 尺骨神経 ―― 肘頭と上腕骨内側上顆の間(正解)
- 尺骨神経は肘部で、肘頭と上腕骨内側上顆の間を通過します。この部位では神経を直接触知でき、打撃を受けると「ビリビリ」とした感覚が手に走ります。
- 脛骨神経 ―― 外果とアキレス腱の間(誤り)
- 脛骨神経は内果の後方を走行します。外果とアキレス腱の間を通るのは腓腹筋や腓骨筋の腱などであり、脛骨神経はこの部位にはありません。
- 総腓骨神経 ―― 膝窩部で半腱様筋腱の内側(誤り)
- 総腓骨神経は膝窩部で腓骨頭の後方を回り込むように走行し、触知可能です。半腱様筋腱の内側ではなく、外側に位置します。
ワンポイントアドバイス
末梢神経の触知部位は、骨や筋の解剖学的ランドマークを目印に覚えると良いです。特に試験頻出部位は以下の通り:
- 尺骨神経:肘頭と上腕骨内側上顆の間。
- 正中神経:上腕動脈のすぐ近く。
- 総腓骨神経:腓骨頭後方で触知可能。
これらの位置関係を正確に把握しておくと、触診や臨床で役立ちます。