閉塞性動脈硬化症で正しいのはどれか。
- 冷感はない。
- 安静時痛はない。
- しびれ感はない。
- 間欠性跛行は体幹前傾で改善する。
- 好発部位は大腿動脈から膝窩動脈である。
解答解説
正解は5. 好発部位は大腿動脈から膝窩動脈であるです。
解説
閉塞性動脈硬化症(ASO: arteriosclerosis obliterans)は、動脈硬化が原因で主に下肢動脈に狭窄や閉塞を引き起こす疾患です。以下に選択肢の詳細を解説します。
各選択肢の解説
- 冷感はない(誤り)
- ASOでは末梢の血流が低下するため、患肢に冷感が見られることが多いです。血流障害による典型的な症状の一つです。
- 安静時痛はない(誤り)
- 病状が進行すると、安静時でも痛みを感じることがあります(安静時痛)。これは末梢組織への血流が著しく不足した重症例に見られる症状です。
- しびれ感はない(誤り)
- 血流不足や神経への影響により、患肢にしびれ感を訴える患者もいます。冷感や疼痛とともに典型的な症状の一つです。
- 間欠性跛行は体幹前傾で改善する(誤り)
- 間欠性跛行は、歩行中に下肢の疼痛やだるさが生じ、休むと改善する症状です。体幹前傾で改善するのは腰部脊柱管狭窄症の特徴であり、ASOでは関係ありません。
- 好発部位は大腿動脈から膝窩動脈である(正解)
- ASOの好発部位は下肢動脈の大腿動脈や膝窩動脈です。これらの部位は血流の分岐や乱流が生じやすく、動脈硬化の進行が早いためです。
症状のまとめ
閉塞性動脈硬化症の代表的な症状:
- 冷感:末梢血流の低下による。
- 間欠性跛行:歩行中の疼痛・だるさ。
- 安静時痛:末期に見られる重症症状。
- しびれ感:神経への影響を伴う場合に出現。
ワンポイントアドバイス
閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症の間欠性跛行の違いは試験でも頻出です。
- ASO:休息で改善するが、体幹姿勢の影響は少ない。
- 脊柱管狭窄症:体幹を前傾すると改善する(椎間関節や神経根の圧迫軽減)。
これらを明確に区別しておきましょう。