臨床研究を実施する上で適切でないのはどれか。
- 研究対象はポスターを用いて募集した。
- 研究の内容について対象者に書面を見せながら口頭で説明した。
- データ処理を匿名化で行った。
- 得られたデータはパソコンの共有フォルダで保管した。
- 対象者からの研究の同意への撤回請求に応じた。
解答解説
正解は4. 得られたデータはパソコンの共有フォルダで保管した。です。
臨床研究では、対象者の個人情報や研究データの保護が極めて重要です。パソコンの共有フォルダでデータを保管することは、不正アクセスやデータ漏洩のリスクが高く、研究倫理として不適切です。研究データは、個別にパスワード保護された安全なシステムで管理する必要があります。
各選択肢の解説
- 研究対象はポスターを用いて募集した。
研究対象者の募集方法として、ポスターなどを用いることは倫理的に認められています。ただし、対象者に対して研究目的や内容を十分に説明し、同意を得るプロセスが重要です。 この方法は適切です。 - 研究の内容について対象者に書面を見せながら口頭で説明した。
研究内容を対象者に書面で説明し、口頭でも補足することは、インフォームド・コンセントの適切な手順です。 十分な理解を促し、自発的な同意を得るために適切です。 - データ処理を匿名化で行った。
データ処理の際に匿名化することは、個人情報保護の観点から適切です。匿名化することで、個人が特定されるリスクを減らし、研究倫理に則った手法といえます。 - 得られたデータはパソコンの共有フォルダで保管した。
正解です。共有フォルダはアクセス権が複数のユーザーに与えられるため、個人情報が漏洩するリスクが高く、不適切です。 研究データは、安全な保管方法(暗号化されたフォルダやパスワード保護されたシステム)を選択する必要があります。 - 対象者からの研究の同意への撤回請求に応じた。
対象者は研究への参加をいつでも撤回できる権利を有しています。撤回請求に応じることは、研究倫理の観点から適切な対応です。
ワンポイントアドバイス
臨床研究では、対象者の権利保護とデータの安全管理が重要です。データは必ず厳重に保管し、不正アクセスのリスクを最小限にする対策を講じる必要があります。また、インフォームド・コンセントの手順や撤回請求への対応など、研究倫理指針を遵守することが求められます。