第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題36

GMFMで正しいのはどれか。

  1. GMFM-88は間隔尺度として使用される。
  2. 各項目は0〜4の5段階評価で判定する。
  3. 脳性麻痺のための標準化された発達評価である。
  4. 健常5歳児であれば達成可能な項目で構成される。
  5. Item Mapの使用により認知機能の判定が可能である。

解答解説

正解は4. 健常5歳児であれば達成可能な項目で構成されるです。

解説

GMFM(Gross Motor Function Measure)は、脳性麻痺やダウン症などの小児の粗大運動能力を評価するための尺度です。以下、GMFMの主要な特徴を解説します。

GMFMの構成と評価基準

  • GMFMの項目は、健常な5歳児であれば達成可能な粗大運動能力を基準に作成されています。これにより、個々の発達段階を評価します。
  • GMFMには、88項目のGMFM-88と、41項目の短縮版であるGMFM-66があります。

GMFMの適用対象

  • 脳性麻痺の子どもを対象とした標準化された評価法ですが、他の発達遅滞を伴う障害の評価にも使用されます。
  • 粗大運動能力の測定に特化しており、認知機能や日常生活動作(ADL)は評価対象外です。

選択肢の解説

  1. GMFM-88は間隔尺度として使用される(誤り)
    • GMFM-88は順序尺度であり、各項目の得点は達成度に基づいて順序付けされます。間隔尺度ではありません。
  2. 各項目は0〜4の5段階評価で判定する(誤り)
    • 各項目は0〜3の4段階評価で判定します。
      • 0:動作不能
      • 1:部分的にできる
      • 2:ほぼ達成
      • 3:完全に達成
  3. 脳性麻痺のための標準化された発達評価である(誤り)
    • GMFMは脳性麻痺の評価に特化していますが、発達評価ではなく、運動能力の評価法です。
  4. 健常5歳児であれば達成可能な項目で構成される(正解)
    • GMFMの評価基準は、健常な5歳児の粗大運動能力を基準として作成されています。正しい記述です。
  5. Item Mapの使用により認知機能の判定が可能である(誤り)
    • GMFMは運動機能の評価に特化しており、認知機能の評価は行いません。Item MapはGMFM-66で使用され、運動機能の発達段階を示します。

ワンポイントアドバイス

GMFMの項目は健常5歳児を基準とした粗大運動能力の達成度を評価するものであり、脳性麻痺の運動機能の測定に特化しています。評価尺度(0〜3の4段階)や対象範囲を正確に理解し、認知機能やADLは評価対象外である点に注意しましょう。